『武器としての人口減社会』 村上由美子著

増える空き家問題や過疎などをテーマに考えを巡らせている。
そのヒントになるかと思って読んだが、見込みと少し違っていた。

かいつまんで言うと、
人口が減るが、その分ロボット産業が成長する追い風が吹く、
それは日本が世界をリードすることにつながる、
能力の高いシニア世代や女性がたくさん眠っているから活用もできるし、
発想変えてみようぜ、という本。

データはなかなか貴重なものも多い。
過疎対策などの行政にはあまり参考にならないかも。
まあ、そもそも私のような見当で読まないかもしれいないが。
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『ニートの歩き方』pha著

こういったものは時間が経ってから読みたいので、今更ながら読んだ。
2012年発行とある。当時であればかなり斬新で面白かっただろう。
イケダハヤト氏などブロガーの活躍を含めて、若者に生き方のオルタナを示した意義は大きい。
今はあまり珍しい事ばかりではないけど。


お金をランダムで再分配したり、1億人から1円ずつもらう、
という話は1度は考えたことがあるだろうし、
そういうシステムの実現可能性を感じさせるところが、この本の強みなのかも。


ただ、出家生活にも見えるので、無理しているようにも見える。
(本人は違うと言うと思うけど)
こういう生活のさらなるオルタナが何か考えないといけない。




感想 『つくおき 週末まとめて作り置きレシピ』nozomi

なじみの書店で書店員と商談をしていると、
ふとこの本が目に入って購入した。書店員いわく、売れているとのこと。
それから1年近くこの本を使ったことになる。

この本の表記通り、週末につくりおきご飯を作り続けてきた。
2時間ほどかけて、15品ほど作る。
もともと食事は私が作っていたが、
妻が育休を取得することもあり、育児でお昼の準備も大変だろうと、
朝と昼に食べられるよう、つくりおきご飯を用意しておこうと思ったわけである。

この本には便利な特徴がある。タイムスケジュールが付いていることだ。
野菜のおひたしを数種類作る間に肉の下味をつけるといったように、
効率的なつくりおきのプランが視覚化されて使いやすい。

そのプランがざっくりいって4週分(4プラン)ある。
各プランには、15品ほど掲載されているので、レシピとしての能力は十分。
慣れてくると、各プランを横断的に作れるようになり、
夏は酢の物多め、という調整もできる。

これは便利だと思った。特に既婚者の男性にオススメしたいと、まわりの人にも吹聴した。
どれも簡単に作ることができ、味付けも濃い目で、男性ごのみ。
しかも、家族から喜ばれる。家庭とわが身の平和につながる。

週末にサッカーを見ながらビールを飲むくらいなら、
ビールを飲みながら2時間ほど料理する方がよろしい。

どんなに仕事が忙しくても、1日くらい休みがない人はそう多くはなかろう。
休日にごろごろするくらいなら、1週間分のご飯を作ることで、
家事をしない免罪符とした方が、男性諸君の平和ためにもよろしかろう、
まあ、そんなおせっかいなことを、本書を使いながら考えていたのである。


しかし、である。


そのうちに気になることが出てきた。
確かに、効率的に1週間分のご飯を作ることができた。
なかなかのご馳走である。

しかし、である。

この「ごちそう」が曲者なのだ。

食費がかかるし、そもそも毎日ごちそうって、体にいいの?
なんかもう肉食べたくないんですけど。胃が疲れるんですけど。
しかも数日食べられるようにと考えてまとめて作るから、
必然的に量が多い。残すのが嫌で食べるけど、なんかいろいろつらい。

ほうれん草のナッツ和えとか作っているけど、
そもそもほうれん草の味噌汁とご飯でよくね?
きゅうりの千切りと鳥胸肉を茹でて割いて酢であえるって、
もろきゅうでよくね? きゅうりにみそつけて、ご飯とお吸い物でよくね?


ていうか、出てくる材料、ほとんど同じで、
どれも似た味付けになって、工夫した割に季節感もないし、
そもそもレシピってなんだよ、なんかレシピって、いろいろつらいぞ。

適当に自由に作って粗食でよくね?
ミケランジェロって、ゆでたまごとパンしか食べないで、
大理石彫ってたとかいうじゃん。

でも、自由に作って粗食でOKと思っても、旬の野菜も分からないし、
旬の素材のシンプルな食べ方も分からないし、
必要な栄養も分からないし、もうどうすりゃいいのよ。
そんなことを思いながらもんもんとしていたわけである。

まあ、それが私の『つくおき』の最終的な感想だ。


さて、そんなもんもんとした気持ちにドンピシャで答えてくれた本がある。
土井善晴さんの、『一汁一菜でよいという提案』である。
一言でいえば、難しいこと考えないで、ご飯とみそ汁があれば大丈夫、
漬物があればなおよし、という話である。
それに至るまでの説明が秀逸。食に関する考え方がどのような社会的影響下にあるか、
わかりやすく書かれていて、なかなか説得力があると思う。
これはまた別の機会に紹介する。

あと2冊、考えるのに有用だった。
岩村暢子さんの『変わる家族 変わる食卓』。岩村さんの一連の仕事は本当に素晴らしく、
いい刺激をもらった。
食卓に責任を負うというのは、みそ汁だけ作ればいいという雑な開き直りではいけない。
季節のものをバランスよく取り入れる必要があるが、その感性を養う機会がどのように喪失していったのか、
岩村さんの仕事からよくわかる。

もうひとつは、有元葉子さんの『だれも教えなかった料理のコツ』。
これは料理への向き合い方がよく書かれていて、とても良かった。

この3冊については、いつか取り上げる。

【名著紹介】 『小林カツ代と栗原はるみ』 阿古真理著

毎日の献立、レシピに悩んでいる人に是非読んでほしい1冊。

確かに参考になるレシピサイトは多いけど、そのうちどれも似た様な味しか作れていないことに気づいた。
それから、レシピを見て作るとどうしてもご馳走になってしまう。
簡単な素朴な惣菜の作り方を見てもそう。

なんでかなと考えると、いろいろな食材を組み合わせて、いろいろな調味料も組み合わせて料理を作る、その発想が問題なのではと思った。
つまり、「レシピ」の思考法ではなく、
季節の野菜がなんであり、それの味わいを最大に引き出すシンプルな料理法が大事なのではなかろうか、それってなんだろうと考えるようになったのである。
その発想法で料理本を書いているのが有元葉子さんのような料理研究家だと気付き、本書に興味を持った。

さて、「レシピ」という考え方がどのように定着して行ったのか、このことを詳細に分析したのが『小林カツ代と栗原はるみ』である。

例えばビーフシチューの作り方。

入江麻木は20日かけて煮込むドミグラスソースの作り方を教える。
ロシアの貴族の台所で学んだレシピ情報は、当時希少価値だっただろう。
洋食を正しく紹介することが当時必要とされただろうし、またそのための料理時間もあった。

小林カツ代は缶のドミグラスソースを使った素早いレシピを推奨する。
女性の社会進出を背景に、簡易レシピの紹介と同時に女性の意識刷新にも貢献したのだ。

そういった時代背景の差と変化を踏まえつつ、料理研究家の個性の違いが丁寧に書かれ、今常識となっているような料理の向き合い方が、時代の変化とともに形成されてきたのがよくわかる。

毎日の料理に困っている方。
それは私のように、レシピに困っているのではなく、料理との向き合い方に困っているのかもしれません。
本書は面白く読めますし、オススメです。
プロフィール

Author:吹雪
書籍編集者です。担当ジャンルは人文書から法律といった専門書、生活実用まで幅広く。哲学研究をかなり真剣にやっていましたので、現実世界のちょっと上の次元に興味があります。

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