【名著紹介】 『小林カツ代と栗原はるみ』 阿古真理著

毎日の献立、レシピに悩んでいる人に是非読んでほしい1冊。

確かに参考になるレシピサイトは多いけど、そのうちどれも似た様な味しか作れていないことに気づいた。
それから、レシピを見て作るとどうしてもご馳走になってしまう。
簡単な素朴な惣菜の作り方を見てもそう。

なんでかなと考えると、いろいろな食材を組み合わせて、いろいろな調味料も組み合わせて料理を作る、その発想が問題なのではと思った。
つまり、「レシピ」の思考法ではなく、
季節の野菜がなんであり、それの味わいを最大に引き出すシンプルな料理法が大事なのではなかろうか、それってなんだろうと考えるようになったのである。
その発想法で料理本を書いているのが有元葉子さんのような料理研究家だと気付き、本書に興味を持った。

さて、「レシピ」という考え方がどのように定着して行ったのか、このことを詳細に分析したのが『小林カツ代と栗原はるみ』である。

例えばビーフシチューの作り方。

入江麻木は20日かけて煮込むドミグラスソースの作り方を教える。
ロシアの貴族の台所で学んだレシピ情報は、当時希少価値だっただろう。
洋食を正しく紹介することが当時必要とされただろうし、またそのための料理時間もあった。

小林カツ代は缶のドミグラスソースを使った素早いレシピを推奨する。
女性の社会進出を背景に、簡易レシピの紹介と同時に女性の意識刷新にも貢献したのだ。

そういった時代背景の差と変化を踏まえつつ、料理研究家の個性の違いが丁寧に書かれ、今常識となっているような料理の向き合い方が、時代の変化とともに形成されてきたのがよくわかる。

毎日の料理に困っている方。
それは私のように、レシピに困っているのではなく、料理との向き合い方に困っているのかもしれません。
本書は面白く読めますし、オススメです。
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プロフィール

吹雪

Author:吹雪
書籍編集者です。担当ジャンルは人文書から法律といった専門書、生活実用まで幅広く。哲学研究をかなり真剣にやっていましたので、現実世界のちょっと上の次元に興味があります。

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